網膜色素変性症の予防
今日はちょっと専門的なお話です。
ある女性が、網膜色素変性症の両親がいてとても心配だと来院されました。
確かに、
網膜色素変性症は遺伝子の異常が原因であることが分かっているそうで、
そして原因となる異常な遺伝子は40種類以上が確認されていますが、
まだまだ、分かってない遺伝子パターンやあてはまらないケースも多くるようです。
症状は、
暗いところでものが見えにくくなる(夜盲)や、
視野が次第に狭くなる(視野狭窄)、
いわゆる視力の低下などが特徴的です。
では、この網膜色素変性症は遺伝だからあきめるしかないのでしょうか?
いえ、
実は違います。
遺伝性と言われても、その遺伝子を発動させなければ良いのです。
その鍵はヒストンにあります。
身体の材料はすべてタンパク質の組み合わせです。
そしてヒストンそのものもタンパク質です。
タンパク質の組み合わせは、
DNAの遺伝子設計図を読み込んで、
m RNAが転写することで行なわれます。
ヒストンは強い塩基性のタンパク質で、
酸性のメチル基と親和性が高く、
アルカリ性のアセチル基とは反発します。
要するに、
メチル化でタンパク質の合成はストップして、DNA図を読ませない事で、設計は変わるのです。
そのお陰で、目は目に、髪は髪に、
肝臓は肝臓になれるわけです。
不都合な遺伝子は発現させなければ良い訳です。
その為には、メチル基を増やす。(解毒回路)
メチル基が増やすには、特にトリプトファンなどの必須アミノ酸が必要です。
でも必須アミノ酸はストレスで使われてしまいます。
だから、
遺伝子の発現を抑えるには、
完璧主義を緩め、競争心は捨て、
なるべくストレスをつくらず、
必須アミノ酸を摂取して、
解毒をしっかりするように内臓のバランス、
適度な運動が必要です。
それが、網膜色素変性症の予防だけでなく、遺伝的な病気の予防になるわけです。