妊娠中や産後に気分が落ち込むのはなぜ?
こんにちは。
今日は妊娠中や産後の落ち込みで、
悩んでいる人について。

妊娠中や産後に、
「なんでかわからんけど、涙が出てくる…」
「ちょっとしたことでイライラしてしまう…」
「前みたいにやる気が出ない…」
そんな心の揺れに戸惑ったことはありませんか?
それ、
あなただけじゃないし、
気のせいでも弱さでもないんです。
実は、
妊娠・出産のタイミングでは、
体の中で起こっているホルモンと、
脳内物質(セロトニン)のバランスの変化が、
気分ややる気に大きく影響しているんです。
先ず知っておかれると良い情報として、
妊娠中・産後の心が不安定になるメカニズム
について。
安心ホルモンのセロトニンを、
エストロゲンがサポートしているという事実があります。
そしてエストロゲン(卵胞ホルモン)は、
脳の中でも大事な役割があります。
セロトニン(心の安定に関わる物質)を作りやすくする、
そんなセロトニンの受け取り口(受容体)を増やす、
更にセロトニンを長持ちさせる。
このように、
エストロゲンは「セロトニンの味方」なんですね。
でも、
妊娠・出産ではホルモンが乱高下しちゃいます。
妊娠中はエストロゲンが急激に増えたり、
逆に出産直後なんかはガクンと下がったり、
この激しい変化こそが、
脳と心に負担をかけてしまうのです。
特に出産直後は、
エストロゲンもプロゲステロンも
一気に減少するため、
セロトニンも急激に減ってしまい、
「産後うつ」や「マタニティブルー」、
が起きやすくなります。
では、そんなセロトニンを整えるために
できることは?
ホルモンの波は自体は止められませんが、
セロトニンを助ける方法はあります。
妊娠中・産後におすすめの
セルフケアとして、
1. 朝の光を浴びる
(セロトニンのスイッチON)
起きてすぐに5〜15分、
日光を浴びましょう。
網膜の光刺激が脳幹に届き、
セロトニンの分泌を促します。
2. ゆったりしたリズム運動
散歩・呼吸・咀嚼など、
軽い散歩や深い呼吸もGOOD。
よく噛む食事などもセロトニン活性に◎
3. 栄養(トリプトファン・ビタミンB6・鉄)
セロトニンの材料「トリプトファン」は、
卵、納豆、魚、バナナなどに多く含まれます。
ビタミンB6や鉄も大切なので、
必要に応じて補助的にサプリを使うのもありです。
4. 誰かとつながる
(オキシトシンとセロトニン)
感情を吐き出すことも、
スキンシップも、
実はセロトニン活性に役立ちます。
「話せる相手がいる」ことが、
心の回復力を育てます。
5.腸のケア(腸内環境とセロトニン)
セロトニンの多くは(9割)腸でも作られるため、
腸内環境が乱れるとメンタルにも影響が出やすいです。
発酵食品や海藻、食物繊維や、
水の質なども大切になります。
最後に、
妊娠や出産は身体も心も使った
まさに「命を生み出す大仕事」です。
だからこそ、
ホルモンも神経もダイナミックに動いているんです。
自分の心の揺れに
「なんでこんなことで…」
と責めるのではなく、
「今は脳と体ががんばってるんやな」
と、優しく見守ってあげてください。
そして、パートナーや家族も、
「気のせい」「我慢して」ではなく、
生理学的な理由があると知って、
温かく寄り添ってくれたら、
きっともっと育児も人生も、
あたたかくなって様な気がします。