リラックスになれば良い。
頑張るという言葉があります。
頑張るには、
「我慢して、忍耐して、努力する」
根性〜
という感じですが、
本来は「我を張る」意味で用いられます。
我を出して頑張っているときは、
身体に力みが生じやすいものです。
武術などでも外から加わる力には、
我を張り、力みがあればあるほど影響を受けやすくなります。
そして心の面でも同じことで、
頑張っているときは、心にも力みが生じています。
すると、
外から受ける見えない力に対して影響を受けやすくなります。
その代表的な例がいわゆるストレスです。
ストレスに弱くなるのは、
実は頑張いる人や、過度に力みやすい人に多いのです。
自分の思い通りに物事が進まないときでも、リラックスしていると、
物事をありのままに捉えて、
必要以上の影響を受けなくて済みます。
このリラックスは、弛緩するとは違います。
弛緩は役に立ちません。
リラックスとは、
意識的に抜く行為です。
抜きとは感じるという意味でしか成り立ちません。
ですから、自分の身体を感じられていないと出来ません。
自分の身体を感じるとは、見つめて味わうという感じに近いです。
頑張ってしまって、
心に力みが生じているときに、
影響を受けやすく、
他人のちょっとしたひと言が胸に深く刺さるときは正にこれです。
ストレスに強くなるには、
リラックスすることが大切です。
(ストレスとは過緊張による脳副腎反応。結局は自分で作ってるんです。)
ですが、「〜しないように」
という心の使い方をしているときは、
かえって乱されやすくなるものです。
「氣にしないように」
「失敗しないように」
などたくさんあります。
「怒らないように」
とコントロールすると、余計に怒りが湧きます。
「悲しくない」と自分に対して嘘をつくと、余計に悲しみが湧きます。
人間であり、受信システムで生きている以上、
怒ったり、悲しんだり、感情は必ずあります。
その瞬間に心に波が生じるのは当たり前です。
しかし、実は次の瞬間には、
その波が静まっていくのが自然の姿です。
波静まった水面に水滴が落ちれば、必ずまた波が生じます。
その波は、
時間という約束の中で、共に無限小に静まっていきます。
生じた波がいつまでも静まらないとしたら、それは不自然です。
リラックスしているとき、
自然に波は静まっていきますが、
頑張っているときはなかなか静まりません。
「〜しないように」と自分をコントロールすることよりも。
リラックスした状態で、「さあ!こい!」と、
正々堂々と物事と結び合い、向かい合うときが、
もっとも強い状態になります。
その時に抜きであり、感じるです。
武術も健康も、
丁度良い、最適な状態こそ、目指す状態であり、それが
リラックスです。